ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
フクイベナートル
Fukuivenator ・ 2016年命名
日本で見つかった非鳥類型恐竜の中で最も完全な骨格として知られる。長い首と形の異なる歯から、植物食または雑食だった可能性が指摘されている。
- 分類
- 獣脚類
- 時代
- 白亜紀前期(約1.27億〜1.15億年前)
- 全長
- 推定約2.5m
- 食性
- 雑食
- 発見地
- 日本
北谷層(福井県勝山市)
特徴
フクイベナートルは全長約2.5m、体重約25kgと推定される獣脚類である。上あごの前の部分にへら状の歯、その後ろには鋸歯のない鋭く曲がった歯があり、首の骨が長く伸びて首が長いことが特徴とされる。
長い首と、形が異なり鋸歯のない歯をもつことから、記載者は純粋な肉食ではなく、植物食か少なくとも雑食に適応していたと考えた。CTスキャンによる研究では、においを感じる脳の部分が大きかったことなども示されている。
発見と命名
化石は2007年8月、福井県勝山市の北谷層で福井県立恐竜博物館の発掘調査中に見つかった。約160点の骨と骨の破片が、50cm四方の狭い範囲からばらばらの状態で出ており、日本で見つかった鳥類以外の恐竜の化石として最も完全な骨格とされる。
2016年、東洋一、徐星らがフクイベナートル・パラドクスス(Fukuivenator paradoxus)と命名した。属名は福井県とラテン語の「狩人」を組み合わせたもので、種小名は原始的な特徴と進んだ特徴が入り混じっている意外さにちなむ。
分類と研究
記載論文では、コエルロサウルス類のなかの原始的なマニラプトル形類とされ、ドロマエオサウルス科との共通点は収斂進化の結果と解釈された。2021年の再記載では、テリジノサウルス類の最も基盤的なメンバーとされ、北アメリカのファルカリウスよりも基盤的な位置に置かれた。2026年の解析もこの位置を支持している。
一方、2023年の解析では、謎の多いマニラプトル類ミグマニキオンと最も近いとされ、テリジノサウルス類よりもやや進んだ位置に置かれており、説が分かれる。テリジノサウルス類が肉食から植物食へ移っていく過程を知る手がかりになる可能性がある。
見られる博物館
- 福井県立恐竜博物館日本 福井県勝山市 ・ 福井産の小型獣脚類
展示された特別展
- 特別展「獣脚類2025 ~『フクイ』から探る恐竜の進化~」2025年7月11日〜2025年11月3日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 福井県産の獣脚類
- 福井県×タカシマヤ 発掘 恐竜王国展2024年7月17日〜2024年7月29日 ・ 新宿高島屋 11階催会場 ・ ロボット
- オダイバ恐竜博覧会20242024年3月20日〜2024年5月6日 ・ フジテレビ本社屋 ・ 全身骨格とロボット
- 2021年度特別展「海竜 ~恐竜時代の海の猛者たち~」2021年7月16日〜2021年10月31日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 実物大ロボット
- 2019年度特別展「恐竜の脳力 ~恐竜の生態を脳科学で解き明かす~」2019年7月12日〜2019年10月14日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 脳と内耳を解説
この恐竜が登場する本
- 福井県立恐竜博物館 展示図録 第3版福井県立恐竜博物館 ・ 図録・博物館ガイド
- Kitadani ―恐竜時代の福井を解き明かす―一島啓人・関谷透・湯川弘一・静谷あてな・小泉沙千穂ほか ・ 図録・博物館ガイド
- 恐竜の脳力 恐竜の生態を脳科学で解き明かす福井県立恐竜博物館(編) ・ 図録アーカイブ
- 大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち読売新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
同じ白亜紀前期の恐竜
同じ国(日本)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。