ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
コエロフィシス
Coelophysis ・ 1889年命名
三畳紀後期の細身で小型の肉食恐竜。恐竜として最古の叉骨が確認されており、ニューメキシコ州の州の化石に指定されている。
- 分類
- 獣脚類 ・ コエロフィシス科
- 時代
- 三畳紀後期(約2.15億〜2.01億年前)
- 全長
- 最大約3m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ
チンル層(ニューメキシコ州ゴーストランチ)
特徴
コエロフィシスは、三畳紀後期に現在のアメリカ南西部で暮らした、細身で小型の二足歩行の肉食恐竜である。全長は最大約3m、腰の高さは1mあまりで、体重は約15〜25kgと推定されている。首と尾は長く細く、腰と足は幅が狭い。すばやく走れる身軽な体つきだったと考えられている。
肩の部分には叉骨(さこつ)があり、恐竜で知られる最も古い例である。手には祖先的な4本の指があったが、働いていたのは3本で、4本目は手の肉に埋まっていた。足は3本の指で地面につき、その後ろに小さな第1指が高い位置についていた。獣脚類の初期のなかまでありながら、ヘレラサウルスなどより後の獣脚類に近い特徴を多くもつ。
発見と命名
最初の化石は1881年にデイヴィッド・ボールドウィンがニューメキシコ州リオアリバ郡で集めたものである。エドワード・ドリンカー・コープは1887年にこれをコエルルスの新種として記載し、1889年に新属コエロフィシスを設けた。属名はギリシャ語の「中空の」と「形」を組み合わせたものである。
1947年6月、アメリカ自然史博物館のエドウィン・H・コルバートの調査隊が、ニューメキシコ州ゴーストランチのチンル層で数百体分の骨格が一か所に集まった化石層を発見した。最初の標本は断片的だったため、のちにゴーストランチの標本の一つ(AMNH 7224)を新しい模式標本とする申し立てが国際動物命名委員会に出され、ゴーストランチの化石をコエロフィシスと呼ぶ使い方が保たれた。このため、コエロフィシスは最も標本の多い恐竜の一つになっている。
分類と研究
コエロフィシス科の名前のもとになった属で、最も早い時期の恐竜の一つである。似た動物の化石は世界各地の三畳紀後期からジュラ紀前期の地層から見つかっている。かつてアフリカのメガプノサウルスをこの属の一種とする意見もあったが、現在は別の属とされることが多い。
ゴーストランチの成体の腹の中に幼体があるとして共食いをしたとする説が唱えられたが、2002年以降の研究で、それらの多くは小型のワニの仲間(ヘスペロスクスなど)と分かった。一方で、2009年には口のまわりから吐き戻した幼体の骨とされるものが報告されている。大腿骨の研究では、生まれて1年目に急速に育ち、8年目ごろまでに最大の大きさになったとされる。華奢な型と頑丈な型の2つの体形が知られ、雌雄の違いとする見方がある。ニューメキシコ州の州の化石に指定されている。
見られる博物館
- 御船町恐竜博物館日本 熊本県上益城郡御船町 ・ 全身骨格
展示された特別展
- 特別展「バッドランドの恐竜たち ~北アメリカの1億年~」2024年7月12日〜2024年11月4日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 三畳紀〜ジュラ紀の獣脚類
この恐竜が登場する本
- 恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた(文春文庫)ピーター・D・ウォード(著)/垂水雄二(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜野外博物館ヘンリー・ジー、ルイス・V・レイ(著)/小畠郁生(監訳)/池田比佐子(訳) ・ 翻訳書
この恐竜が登場する作品
- ウォーキング with ダイナソー(BBCオリジナル・シリーズ)ドキュメンタリー ・ 1999
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。