ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
グリポサウルス
Gryposaurus ・ 1914年命名
「ローマ鼻」と呼ばれる盛り上がった鼻のこぶが特徴のカモノハシ竜である。こぶは仲間の識別や順位争いに使われた可能性があり、背中にはピラミッド形のうろこの皮膚痕も残る。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約8000万〜7500万年前)
- 全長
- 約7.5〜8m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- カナダ、アメリカ
ダイナソーパーク層(アルバータ州)
特徴
グリポサウルスは全長約8mのカモノハシ竜(ハドロサウルス科)で、二足でも四足でも歩けた大型の植物食恐竜である。ほかのカモノハシ竜とは、鼻の部分が細くアーチ状に盛り上がっていることで見分けやすく、この形は「ローマ鼻」にたとえられる。
この鼻のこぶは、種や性別の見分けや、同じ種どうしの争いに使われた可能性がある。皮膚の跡も見つかっており、背中の中央に沿ってピラミッド形のうろこが並んでいたことが分かっている。川辺の環境を好んだ可能性があるとされる。
発見と命名
基準標本は、1913年にジョージ・スタンバーグがカナダ・アルバータ州のレッドディア川沿い、現在のダイナソーパーク層で集めた頭骨と部分骨格である。ローレンス・ラムがまもなくこれを記載・命名し、珍しい鼻のとさかに注目した。
属名はギリシア語で「かぎ鼻のトカゲ」を意味し、ラテン語の「グリフォン」と訳されることがあるのは誤りとされる。その後、モンタナ州のツー・メディスン層からグリポサウルス・ラティデンス、ユタ州のカイパロウィッツ層からグリポサウルス・モニュメンテンシスが命名された。
分類と研究
グリポサウルスはクリトサウルスによく似ており、1916年ごろから両者は同じ属と考えられ、1942年の有名な研究書以降、50年近くクリトサウルスの名にまとめられていた。しかし1990年代からの見直しで、クリトサウルスの基準標本は比較できる部分が少ないことが問題とされ、グリポサウルスは再び別の属として扱われている。
かつてはハドロサウルスとも同じ属ではないかという説があったが、現在では上腕の骨や腸骨の違いで区別できると考えられている。
見られる博物館
- ユタ自然史博物館アメリカ ユタ州ソルトレイクシティ ・ ハドロサウルス類の骨格
同じ鳥脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(カナダ・アメリカ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。