ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ナヌークサウルス
Nanuqsaurus ・ 2014年命名
北極圏のアラスカで見つかったティラノサウルス類で、名前はイヌピアック語の「ホッキョクグマ」に由来する。化石が断片的で、疑問名とする見解もある。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約7250万〜6900万年前)
- 全長
- 約5〜6m(成体は8m前後の可能性)
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ
プリンスクリーク層(アラスカ州ノーススロープ)
特徴
ホロタイプは上顎や頭骨の天井、下顎の破片などからなり、近縁種の比率から頭骨の長さは約60〜70cmと推定されている。当初は全長約5〜6m、体重約500〜900kgとされ、北極圏という高緯度の環境に適応して小型化したと考えられた。
その後、コルビル川沿いの約20kmの範囲で見つかった化石も同じ動物のものとされ、まだ記載されていない成体大の歯や骨から、ほかの北アメリカのティラノサウルス科と同程度の大きさだった可能性が示されている。寒さから身を守る羽毛に覆われていたと考えられている。
発見と命名
アラスカ州ノーススロープのプリンスクリーク層からは、以前からティラノサウルス科の歯が見つかっており、ゴルゴサウルス、のちにアルバートサウルスのものとされていた。2006年、同じ層のキカク・テゴシーク採石場で、1個体分とみられる頭骨の破片が見つかった。
ペロー自然科学博物館での研究を経て、2014年にアンソニー・R・フィオリロとロナルド・S・ティコスキーが新属新種ナヌークサウルス・ホグルンディと名づけた。属名はイヌピアック語で「ホッキョクグマ」を意味する「ナヌーク」に由来し、種小名は慈善家フォレスト・ホグランドにちなむ。
分類と研究
系統解析ではティラノサウルス亜科に入り、ダスプレトサウルスやティラノサウルスに近いとされる。ただし記載時に挙げられた特徴は他の種にも見られるとの指摘があり、2023年の学位論文は疑問名と論じている。
プリンスクリーク層では幼い恐竜の化石が多く見つかっており、ナヌークサウルスと獲物の動物は渡りをせず、年に約120日続く冬の暗闇の中で一年中北極圏にとどまっていたと考えられている。地域で最大の肉食動物で、生態系の頂点にいたとみられる。
見られる博物館
- ペロー自然科学博物館アメリカ テキサス州ダラス ・ 全身復元模型
同じ獣脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(アメリカ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。