ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
イグアノドン
Iguanodon ・ 1825年命名
1825年に命名された、研究史上きわめて早い時期の恐竜である。親指の大きなスパイクは、当初は鼻先の角と誤って復元されていた。
- 分類
- 鳥脚類 ・ イグアノドン科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.26億〜1.22億年前)
- 全長
- 約9〜11m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- ベルギー、イギリス、ドイツ、スペイン
ベルニサール(ベルギー)
特徴
イグアノドンは2本足と4本足を使い分けた大型の植物食恐竜で、全長は約9〜11m、大きな個体の体重は約4.5tと推定されている。前肢は長く頑丈で後肢の約75%の長さがあり、手の中央の3本の指で体重を支えることができた。後肢は力強いが走るのには向かず、足の指は3本である。背骨と尾は骨化した腱で固められていた。
最大の特徴は、親指が円錐形の大きなスパイクになっていることである。防御に使ったとも、食べ物を探すのに使ったとも考えられ、役割はまだ議論されている。小指は長く器用で、ものをつかむのに使えた可能性がある。
発見と命名
1825年、イギリスの地質学者ギデオン・マンテルがイングランドで見つかった歯の化石をもとに命名した。歯がイグアナの歯に似ていたことから、属名は「イグアナの歯」を意味する。メガロサウルスに次いで2番目に正式に命名された恐竜で、メガロサウルス、ヒラエオサウルスとともに「恐竜」というなかまを定める基になった。最初の歯を妻のメアリー・アンが見つけたという話が知られるが、確かな証拠はない。
1834年にケント州メイドストンで見つかった骨格をもとに最初の復元が行われたが、親指のスパイクが鼻の上の角と誤って置かれた。1878年にはベルギーのベルニサール炭鉱の地下322mで少なくとも38体の骨格が見つかり、ルイ・ドロが研究して新種ベルニサルテンシスとした。これらは最初に組み立てられた恐竜の全身骨格の一つで、今もブリュッセルで展示されている。
分類と研究
イグアノドン類の名のもとになった属で、このなかまにはカンプトサウルスやオウラノサウルス、ハドロサウルス類などが入る。かつてのイグアノドン科には多くの鳥脚類がまとめられていたが、系統解析により一つのまとまりではないと分かり、現在の意味のイグアノドン科にはほぼイグアノドンだけが入る。
古くから世界中の多くの種がこの属に入れられてきたが、21世紀初めの見直しで、イギリスの化石はマンテリサウルスなど別の属に分けられ、最初の模式種アングリクスは疑問名とされた。現在はベルギーなどの化石にもとづくベルニサルテンシスが確実な種で、2015年にはイベリア半島の化石からガルベンシスも命名されている。
見られる博物館
- 白山恐竜パーク白峰日本 石川県白山市 ・ 復元模型
- 岐阜県博物館日本 岐阜県関市 ・ 全身骨格
- ロンドン自然史博物館イギリス ロンドン(サウス・ケンジントン) ・ 世界で最初に見つかった歯
- オックスフォード大学自然史博物館イギリス オックスフォード ・ ベルニサール標本の複製
- フランス国立自然史博物館 古生物学・比較解剖学館フランス パリ ・ 複製骨格
- ベルギー王立自然史博物館ベルギー ブリュッセル ・ ベルニサール産の全身骨格群
- ゼンケンベルク自然博物館ドイツ フランクフルト・アム・マイン ・ 複製骨格
- ディノポリス(テルエル)スペイン アラゴン州テルエル ・ I. galvensis
展示された特別展
- 特別展「恐竜図鑑 ―失われた世界の想像/創造」2023年3月4日〜2023年5月14日 ・ 兵庫県立美術館 ・ 19世紀〜20世紀の復元画
- 2019年度特別展「恐竜の脳力 ~恐竜の生態を脳科学で解き明かす~」2019年7月12日〜2019年10月14日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 半割した頭骨
この恐竜が登場する本
- 大人の恐竜図鑑(ちくま新書)北村雄一 ・ 入門書
- ディノペディア 恐竜好きのためのイラスト大百科G.Masukawa(著)、ツク之助(イラスト) ・ 入門書
- 恐竜野外博物館ヘンリー・ジー、ルイス・V・レイ(著)/小畠郁生(監訳)/池田比佐子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造 特別展 Dinosaur Dreams岡本弘毅、鈴木慈子ほか ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- ダイナソー映画 ・ 2000
同じ鳥脚類の恐竜
同じ白亜紀前期の恐竜
同じ国(ベルギー・イギリス・ドイツ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。