ENCYCLOPEDIA ・ 竜脚形類
バハダサウルス
Bajadasaurus ・ 2019年命名
首の背側に前方へ伸びる非常に長い二又のトゲをもつ竜脚類で、捕食者からの防御に役立ったと考えられている。頭骨はディクラエオサウルス科で最も完全なものの一つである。
- 分類
- 竜脚形類 ・ ディクラエオサウルス科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.45億〜1.33億年前)
- 全長
- 不明
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アルゼンチン
バハダ・コロラダ層(ネウケン州)
特徴
バハダサウルスは、首が比較的短く小型の竜脚類のグループであるディクラエオサウルス科のなかまである。最大の特徴は首の椎骨から伸びる、左右2本に深く分かれた非常に長い神経棘で、知られている1本は長さ58cmあり、椎骨の高さを長さの4倍にしている。よく似た長い棘をもつアマルガサウルスでは棘が後ろ向きなのに対し、バハダサウルスでは前向きに曲がっている点が異なる。
頭骨は細長く、鉛筆のような形の歯が約48本、あごの前の方にだけ並んでいた。頭を上から見ると眼窩が見えるのも特徴で、餌を食べながら前を見られた可能性が指摘されている。全身の骨格は見つかっておらず、全長ははっきりしていない。
発見と命名
唯一の標本は2010年、アルゼンチンの国立科学技術研究会議(CONICET)の古生物学者が、ネウケン州ピクン・レウフの南約40kmにあるバハダ・コロラダで発掘した。最初に歯が露出しているのを見つけたのはパブロ・ガジーナで、もろい化石を守るため岩ごと石膏で包んで運び出し、研究室で頭骨の大部分と首の骨を取り出した。
2019年にガジーナらが新属新種バハダサウルス・プロヌスピナクス(Bajadasaurus pronuspinax)として記載した。属名は産地バハダ・コロラダ(スペイン語の「下り坂」)とギリシャ語の「トカゲ」、種小名はラテン語の「前に曲がった」とギリシャ語の「棘」を組み合わせたものである。頭骨は2019年の時点でディクラエオサウルス科で最も完全なもので、2023年にはCTスキャンによる立体復元にもとづく詳しい記載が出された。
分類と研究
2019年の系統解析では、ディクラエオサウルス科の中間的な位置に置かれ、アマルガサウルスやディクラエオサウルスより原始的とされた。首の長い棘について、記載者たちは角質のさやにおおわれ、前に突き出して捕食者を防ぐ役に立ったと考えた。一方、2022年のアマルガサウルスなどの研究では、角質のさやではなく棘どうしを結ぶ靱帯や帆のような構造があったとする見方も出されており、説が分かれる。
歯の成長線の研究では、歯はおよそ40日ごとに生え替わったと推定されている。あごの前にくちばしのような構造があった可能性も指摘されたが、決定的な証拠はない。同じ地層からはほかの竜脚類や複数の獣脚類が見つかっており、当時は網の目状に流れる川がつくった環境だったとされる。
見られる博物館
- エルネスト・バッハマン市立博物館アルゼンチン ネウケン州ビジャ・エル・チョコン ・ 頭と首のレプリカ
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。