ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
トルヴォサウルス
Torvosaurus ・ 1979年命名
ジュラ紀最大級の肉食恐竜の一つで、細長い吻部と短く頑丈な前肢を持つ。北米のほかポルトガルからも別種T. gurneyiが見つかり、これはヨーロッパで命名された最大の獣脚類である。
- 分類
- 獣脚類 ・ メガロサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.65億〜1.47億年前)
- 全長
- 約9〜10m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ、ポルトガル、ドイツ
モリソン層(コロラド州)ほか
特徴
トルヴォサウルスは非常に大きくがっしりした肉食恐竜で、模式種タンネリは全長約9m、ポルトガルの種グルネイは全長約10m、体重約4〜5tと推定されている。推定には幅があるが、2種はほぼ同じ大きさとみられる。ジュラ紀後期の北アメリカで最大級の陸上の肉食動物の一つであった。
吻は細長く狭く、横から見ると鼻の穴のすぐ上にこぶがある。上顎骨は背が高く、長い歯が並ぶ。上腕は太く、前腕は太く短く、短いながら非常に力強い腕をもっていたと考えられている。首と前の胴の椎骨は球と受け皿の形の関節でつながり、よく曲がった。
発見と命名
1971年、コロラド州デルタのヴィヴィアン・ジョーンズが巨大な獣脚類の親指のかぎ爪を見つけ、ブリガムヤング大学のジェームズ・A・ジェンセンに見せた。夫ダニエル・エディ・ジョーンズの案内でジェンセンがドライ・メサ採石場を訪れると、スーパーサウルスとともに巨大な獣脚類の骨が多数見つかった。1979年、ピーター・M・ガルトンとジェンセンが模式種トルヴォサウルス・タンネリを命名した。
属名はラテン語の「獰猛な」とギリシャ語の「トカゲ」、種小名はネイサン・エルドン・タナーにちなむ。2012年にはコロラド州で骨格の約55%が残る最も完全な標本「エルビス」が見つかった。2014年にはポルトガルのロウリニャン層の化石が、画家ジェームズ・ガーニーにちなむ別種グルネイと命名され、ヨーロッパで命名された最大の獣脚類となった。
分類と研究
メガロサウルス科に分類され、メガロサウルスに近いメガロサウルス亜科に入るとされる。ジェンセンは独自のトルヴォサウルス科を設けたが、現在はメガロサウルス科と同じものとして使われていない。1992年に命名されたエドマルカ・レックスなどは、タンネリと同じ種とみる研究者が多い。2020年にはドイツから第3の未命名の種とされる上顎骨が報告されている。
2013年には、ポルトガルで見つかった胚を含む卵の化石がトルヴォサウルスのものとして報告された。最も原始的な恐竜の胚の一つで、大型の獣脚類が卵を産んだことを裏付けるとされる。殻に小さな穴が多いことから、卵は地中に埋めて温められたと考えられている。
見られる博物館
- ディノ・パルケ・ロウリニャンポルトガル リスボン県ロウリニャン ・ T. gurneyi
展示された特別展
- 特別展「獣脚類2025 ~『フクイ』から探る恐竜の進化~」2025年7月11日〜2025年11月3日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 大型獣脚類(福岡会場)
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。