ENCYCLOPEDIA ・ 剣竜類
ダケントルルス
Dacentrurus ・ 1902年命名
最大級の剣竜類で、良好な化石が見つかった最初の剣竜でもある。1875年にオモサウルスとして記載されたが、名前が既に使われていたため1902年に改名された。
- 分類
- 剣竜類 ・ ステゴサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.54億〜1.4億年前)
- 全長
- 約8〜9m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- イギリス、ポルトガル、フランス、スペイン
キンメリッジ粘土層(イングランド・スウィンドン)
特徴
ダケントルルスは、ステゴサウルスと並ぶ最大級の剣竜類で、全長約8〜9m、腰の高さ約1.8m、体重は約5〜7.4トンと推定されている。剣竜類のなかでも胴の幅が特に広く、背中の椎骨の椎体がとても幅広いことから、腰回りががっしりしていたと考えられている。後ろあしはかなり短いが、上腕が長いため前あしは比較的長い。
背中の板(プレート)の少なくとも一部は小さく、付け根が厚い。尾には付け根の広い太いとげが少なくとも2対、細長いとげが4対あったとされる。ただし見つかっている化石が限られているため、全身の姿には分からない点が多い。
発見と命名
1874年、イギリス・ウィルトシャー州スウィンドンの粘土採掘場で骨格が見つかり、大英博物館(自然史部門)に寄贈された。化石は大きな粘土の塊に包まれており、運び出す際にいくつにも割れた。地層はキンメリッジ粘土層で、頭骨はないが、骨盤、背中から尾の付け根の椎骨、大腿骨、ほぼ完全な左前あし、首の板、尾のとげなどが含まれていた。
1875年にリチャード・オーウェンがオモサウルス・アルマトゥス(Omosaurus armatus)と命名した。しかしオモサウルスという名前は1856年に別の爬虫類(植竜類)に使われていたため、1902年にフレデリック・オーガスタス・ルーカスがダケントルルスと改名した。新しい属名はギリシャ語で「とげに満ちた尾」を意味する。
分類と研究
ヨーロッパで最もよく知られた剣竜類で、関節のつながった化石が見つかった最初の剣竜類でもあるため、この地域の剣竜類の化石の多くがこの属とされてきた。イギリス南部のほか、フランス、スペイン、ポルトガルの地層から報告があり、ポルトガルからは剣竜類で初めてとなる卵も見つかっている。1875年以降に6つほどの種が名付けられたが、有効なのはおそらく模式種のアルマトゥスだけとされる。
どの標本をこの種に含めるかは研究者によって大きく異なり、2008年には模式標本だけに限る考えも示された。ダケントルルス亜科のなかでの関係も議論があり、ポルトガルのミラガイアをこの属と同じものとみなす研究者もいる。2024年にはミラガイアの標本を含むフランス・ポルトガル・スペインの11標本がこの種とされた。フランスの白亜紀最初期の地層からも、この属に近いとされる化石が報告されている。
見られる博物館
- ロンドン自然史博物館イギリス ロンドン(サウス・ケンジントン) ・ スウィンドン産の剣竜
- ディノポリス(テルエル)スペイン アラゴン州テルエル ・ テルエル産の剣竜
展示された特別展
- 企画展「恐竜の足跡をたどって」2026年7月16日〜2028年1月4日 ・ フランス国立自然史博物館 進化大陳列館 ・ 同産地で記録される剣竜類(広義)
同じ剣竜類の恐竜
同じジュラ紀後期の恐竜
同じ国(イギリス・ポルトガル・フランス)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。