ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
パラサウロロフス
Parasaurolophus ・ 1922年命名
後頭部に長く伸びる中空の管状のトサカをもつ。内部は鼻孔とつながっており、音を響かせる共鳴器官だったと考えられている。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス科(ランベオサウルス亜科)
- 時代
- 白亜紀後期(約7650万〜7300万年前)
- 全長
- 約7.5〜9.5m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- カナダ、アメリカ
ダイナソーパーク層(アルバータ州)
特徴
パラサウロロフスは、白亜紀後期の北アメリカ西部にいた大型のハドロサウルス科(カモノハシ竜)である。頭の後ろへ長く曲がって伸びる管状のとさかが最大の特徴で、模式標本の頭骨はとさかを含めて長さ約1.6mある。とさかの中には鼻の穴から続く空気の通り道があり、先端で折り返して頭骨に戻る。
模式種の全長は約9.45mと推定され、全長9mの個体なら体重は5トンを超えたとされるが、平均的な成体を全長約7.5m、体重約2.6トンとする推定もある。二足でも四足でも歩くことができ、食べ物を探すときは四足、走るときは二足だったと考えられている。腕は短いが、大腿骨や上腕骨、骨盤はがっしりしている。
発見と命名
模式標本は、1920年にトロント大学の調査隊がカナダ・アルバータ州のレッドディア川沿いで見つけた頭骨と部分骨格で、地層は現在ダイナソーパーク層と呼ばれている。1922年にウィリアム・パークスがパラサウロロフス・ワルケリ(Parasaurolophus walkeri)と命名した。属名は「サウロロフスのそばのとさかのあるトカゲ」を意味し、種小名はロイヤル・オンタリオ博物館の理事長バイロン・エドマンド・ウォーカーにちなむ。
その後、ニューメキシコ州のカートランド層から見つかった頭骨をもとに1931年にトゥビケン種(P. tubicen、「らっぱ吹き」)が、1961年には短く丸いとさかをもつキルトクリスタトゥス種(P. cyrtocristatus)が名付けられた。ユタ州のカイパロウィッツ層からも化石が見つかっている。
分類と研究
ハドロサウルス科のランベオサウルス亜科に属する。確実な種は3つで、中国のカロノサウルスを第4の種とする研究もあるが、別属とされることのほうが多い。キルトクリスタトゥス種は最も小さく、とさかが最も曲がっているため、ほかの種のメスとする考えもあるが、年代や分布、とさかの内部構造の違いから否定する研究も多い。良い標本の少ない、珍しいハドロサウルス類である。
とさかの役割としては、種や性別を見分ける目印、体温の調節、音を響かせる共鳴器などの説がある。特に、低い音を出して仲間に知らせる共鳴室だったとする説は多くの資料に支持されており、保存のよいトゥビケン種の頭骨をもとにしたコンピューターの再現では、主に約30ヘルツで共鳴したとされる。
見られる博物館
- いわき市石炭・化石館ほるる日本 福島県いわき市 ・ 全身骨格
- 北海道大学総合博物館日本 北海道札幌市北区 ・ 復元模型
- 愛媛県総合科学博物館日本 愛媛県新居浜市 ・ 複製全身骨格
- フィールド自然史博物館アメリカ イリノイ州シカゴ ・ Evolving Planet
- ロイヤルオンタリオ博物館カナダ オンタリオ州トロント ・ P. walkeriのホロタイプ
- ゼンケンベルク自然博物館ドイツ フランクフルト・アム・マイン ・ 複製骨格
展示された特別展
- 恐竜博20162016年3月8日〜2016年6月12日 ・ 国立科学博物館 ・ 赤ちゃん化石と成体
この恐竜が登場する本
- ビジュアルガイド 恐竜の生態と行動マイケル・J・ベントン(著)、ボブ・ニコルズ(イラスト)、久保田克博・田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜たちが見ていた世界 悠久なる時をかけてよみがえる18の物語土屋健(著)、ツク之助(イラスト) ・ 読み物
- 恐竜博2016 The dinosaur expo 2016真鍋真(監修)、朝日新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- ジュラシック・パーク映画 ・ 1993
- ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク映画 ・ 1997
- 古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャーアニメ ・ 2007
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同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(カナダ・アメリカ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。