ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ビスタヒエヴェルソル
Bistahieversor ・ 2010年命名
ニューメキシコ州から見つかったティラノサウルス類で、歯は約64本とティラノサウルスより多かった。名はナバホ語の地名と「破壊者」を意味するラテン語に由来する。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス上科(ユーティラノサウルス類)
- 時代
- 白亜紀後期(約7550万〜7450万年前)
- 全長
- 約8〜9m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ
カートランド層ハンターウォッシュ部層(ニューメキシコ州)
特徴
成体の全長は約8〜9m、体重は1トン以上と推定されている。口先は上下に高く、この特徴がティラノサウルスのような進んだティラノサウルス類だけのものではないことを示している。
歯が64本あること、目の上に余分な穴があること、下あごに沿って竜骨のような出っ張りがあることなどで、ほかのティラノサウルス類と区別される。目の上の穴には頭骨を軽くする気嚢が入っていたと考えられている。額の部分には頭骨を安定させる複雑な関節があった。
2020年の脳の形の研究では、大きな嗅球から嗅覚が非常に鋭かったこと、内耳の半規管が長いことから動きが機敏だったことが示された。両目で立体的に見る視覚ももっていたとされる。
発見と命名
のちにこの恐竜とされる最初の化石は、1990年にアウブリソドンの標本として記載された。1992年には幼い個体の骨格、1998年にはニューメキシコ州のビスティ/デナジン原生地域でほぼ完全な頭骨が見つかり、「ビスティの野獣」と呼ばれた。
トーマス・カーとトーマス・ウィリアムソンは2000年、これらをダスプレトサウルスの新種ではないかとしたが、2010年に詳しく調べ直して新属新種ビスタヒエヴェルソル・セアレイ(Bistahieversor sealeyi)と名付けた。属名はナバホ語で「日干しれんがの地形の場所」を意味する地名ビスタヒと、ラテン語の「破壊者」を組み合わせたものである。
分類と研究
ティラノサウルス科に近い、あるいはその一員とされるユーティラノサウルス類である。ティラノサウルス亜科に入れる研究、ティラノサウルス科の外側の原始的な位置とする研究、テラトフォネウスなどとともにテラトフォネウス族に入れる研究、アルバートサウルス亜科とする研究があり、位置付けは説が分かれる。
生まれつつあったロッキー山脈などの地理的な壁が、南に住むこの恐竜を北の進んだティラノサウルス類から隔てていた可能性が指摘されている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- ギガ恐竜展2017 ―地球の絶対王者のなぞ―2017年7月15日〜2017年9月3日 ・ 幕張メッセ 国際展示場11ホール ・ ティラノサウルス上科のロボット
この恐竜が登場する本
- 恐竜の大移動 ティラノサウルス類と角竜の起源と進化 特別展読売新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(アメリカ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。