ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
テスケロサウルス
Thescelosaurus ・ 1913年命名
白亜紀末の北米に生息した小〜中型の植物食恐竜で、大量絶滅の直前まで生き残っていた。「ウィロ」と呼ばれる標本の胸部の塊は化石化した心臓とされたが、現在は単なる岩石の団塊とする見方が広い。
- 分類
- 鳥脚類 ・ テスケロサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約6940万〜6600万年前)
- 全長
- 約3〜4m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アメリカ、カナダ
ランス層(ワイオミング州)、ヘルクリーク層ほか
特徴
テスケロサウルスは、白亜紀後期の北アメリカ西部にいた植物食の鳥盤類である。成体は全長約3〜4m、体重約200〜300kgと推定される。二足で歩き、体の長さの半分を占める長い尾は、棒のような骨化した腱で固められて体の釣り合いをとっていた。吻は長く低く、先端は歯のないくちばしになっている。
近縁の属より歯が多く、形の異なる歯が並ぶ。歯と細い吻から、植物を選んで食べていたと考えられている。手には5本、足には4本の指があり、肋骨の脇には役割のはっきりしない薄い板状の骨がある。手足はがっしりしているが、大腿骨がすねの骨より長いことから、走ることには向いていなかったとされる。
発見と命名
1891年7月、オスニエル・チャールズ・マーシュに雇われた化石ハンターのジョン・ベル・ハッチャーらが、アメリカ・ワイオミング州ナイオブララ郡のランス層で、頭と首を除くほぼ完全な骨格を見つけた。骨格はスミソニアン協会の国立自然史博物館に運ばれたが、箱に入れられたまま長く放置された。
1913年、チャールズ・W・ギルモアが箱を開けて新種と気づき、テスケロサウルス・ネグレクトゥス(Thescelosaurus neglectus)と命名した。属名はギリシャ語で「驚くべきトカゲ」、種小名はラテン語で「見過ごされた」を意味し、標本が長く放置されていたことにちなむ。のちに1976年にガルバニイ種、2011年にアシニボイエンシス種が名付けられた。
分類と研究
テスケロサウルス科の名前のもとになった属で、この科は基盤的な鳥脚類とされることも、鳥脚類の外側の新鳥盤類とされることもある。ワイオミング州のほか、ノースダコタ州、サウスダコタ州、モンタナ州、カナダのアルバータ州、サスカチュワン州などで見つかっており、比較的よく見られる恐竜であった。約6600万年前の大量絶滅の直前まで生きていた、最後の時代の恐竜の一つである。
脳は比較的小さく、嗅覚と平衡感覚は鋭いが聴覚は弱かったとされ、穴を掘って暮らしていた可能性も指摘されている。2000年には、1999年に掘り出された標本「ウィロ」の胸の塊が化石化した心臓だと発表されて注目されたが、現在はその解釈は疑われている。
見られる博物館
- 岐阜県博物館日本 岐阜県関市 ・ 全身骨格
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。