ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
ゴビハドロス
Gobihadros ・ 2019年命名
アジアで最も完全に知られる原始的なハドロサウルス類で、モンゴル古生物学センターと林原自然科学博物館の調査で発掘された。ハドロサウルス科に似たデンタルバッテリーを独自に発達させていた。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス上科
- 時代
- 白亜紀後期(約1億〜8360万年前)
- 全長
- 最大約7.5m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- モンゴル
バインシレ層(ゴビ砂漠)
特徴
中型のハドロサウルス上科の恐竜である。完全な頭骨をもつ標本は全長約3mだが未成熟の個体で、大腿骨の長さから全長約5.3mと見積もられる標本もある。最も大きい標本は大腿骨が約104cmあり、全長約7.5mと推定される。この個体には骨の吸収と作り直しの跡があり、高齢であることから、7.5m前後が成長しきった大きさと考えられている。
前上顎骨の縁が二重になっていることや、下顎の歯の位置ごとに最大3本の歯が重なることは、ハドロサウルス科に典型的な特徴である。ゴビハドロスはハドロサウルス科の外側にいながら、これらを独自に獲得したと結論づけられている。第1指に円錐形のとげのような爪をもつ点でも、ハドロサウルス科と区別される。
発見と命名
1993〜2004年にモンゴル古生物学センターと日本の林原自然科学博物館が、ゴビ砂漠のバイシン・ツァフで発掘を行い、新しい原始的なハドロサウルス上科の化石を見つけた。ホロタイプは頭骨を含むほぼ完全な骨格で、胴体は関節していたが、頭骨は一部ばらばらになっていた。
2019年にヒシグジャフ・ツォクトバートルらが記載し、ゴビハドロス・モンゴリエンシスと名づけた。属名はゴビ砂漠とハドロサウルス上科を組み合わせたもので、種小名はモンゴル産であることを示す。ほかの産地の標本も合わせると、アジアで最も完全に知られる原始的なハドロサウルス上科の恐竜である。
分類と研究
2019年の解析ではハドロサウルス科の外側のハドロサウルス上科に置かれたが、多くの仲間と枝分かれが決まらず、正確な位置は分かっていない。その存在は、アメリカ大陸のハドロサウルス上科がアジアへ何度も入ってきたという見方を支えるものとされた。
2021年には最も大きな個体をCTで調べ、尾や足の骨にピロリン酸カルシウムが沈着する病気の跡が見つかった。けがではなく老化によるもので、関節の動きが制限され、痛みがあったと考えられている。
見られる博物館
- 岡山理科大学恐竜学博物館日本 岡山県岡山市北区 ・ 国内唯一の骨格展示
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。