ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
リトロナクス
Lythronax ・ 2013年命名
知られている中で最古のティラノサウルス科である。幅広い頭骨を持ち、上顎骨の歯槽が11個と他のティラノサウルス類より少ない。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約8190万〜8150万年前)
- 全長
- 約5〜8m(推定に幅)
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ
ワーウィープ層(ユタ州グランド・ステアケース=エスカランテ国定公園)
特徴
リトロナクスはがっしりした体つきのティラノサウルス科の恐竜で、体の大きさの推定は全長5〜8m、体重0.5〜2.5トンと幅がある。ほかのティラノサウルス科と同じく、2本指の小さな前肢、強い後肢、非常に頑丈な頭骨をもっていたと考えられている。
頭骨の後ろの部分は幅が広く、目はティラノサウルスと同じくらい前を向いていた。これにより物を立体的に見ることができ、獲物を追ったり待ち伏せしたりするのに役立った可能性がある。上あごの骨の歯の穴は11個で、多くのティラノサウルス科より少ない。前のほうの歯が最も大きく、長いものは約13cmあった。
発見と命名
化石は2009年、アメリカ土地管理局のスコット・リチャードソンが、ユタ州南部グランド・ステアケース=エスカランテ国定公園のワーウィープ層で見つけた。この地域ではそれまで獣脚類の化石が見つかっていなかったが、鼻の骨の写真からティラノサウルス類と判断され、土地管理局とユタ自然史博物館が1年以上かけて発掘した。
2013年、マーク・ローウェンらがリトロナクス・アルゲステス(Lythronax argestes)と命名した。属名はギリシア語の「流血」と「王」を組み合わせたもので、「王」は後の近縁種ティラノサウルス・レックスを意識したものとされる。種小名はホメロスが南西の風を呼んだ言葉で、北アメリカの南西部で見つかったことにちなむ。
分類と研究
知られている唯一の標本は、部分的な頭骨と骨格である。化石が出たワーウィープ層レイノルズ・ポイント部層は白亜紀後期カンパニアンのもので、リトロナクスは知られている最も古いティラノサウルス科とされる。
ティラノサウルスより基盤的なものと考えられているが、幅広い頭骨や前向きの目など、後の時代のティラノサウルスやタルボサウルスと共通する特徴をもつ。そのため、ティラノサウルス科の起源や体の特殊化の過程を知るうえで重要とされる。記載論文では、より新しい地層から見つかったテラトフォネウスの新しい標本もあわせて記載された。
見られる博物館
- ユタ自然史博物館アメリカ ユタ州ソルトレイクシティ ・ ユタ産ティラノサウルス類
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。