ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
エドモントサウルス
Edmontosaurus ・ 1917年命名
骨のトサカをもたない大型のハドロサウルス類で、白亜紀末まで北米西部に広く分布した。皮膚の痕跡を残す「ミイラ化石」でも知られる。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス科(サウロロフス亜科)
- 時代
- 白亜紀後期(約7300万〜6600万年前)
- 全長
- 約9〜12m(最大約15m)
- 食性
- 植物食
- 発見地
- カナダ、アメリカ
ホースシューキャニオン層・ヘルクリーク層など
特徴
エドモントサウルスはハドロサウルス類の中でも最大級の恐竜で、成体は全長約9〜12m、まれに約15mに達する個体もいたと推定されている。頭骨は横から見るとほぼ三角形で、骨のとさかはない。成体の頭骨は1mを超えることがあり、前方は幅広く広がってカモのくちばしのような形になる。くちばしに歯はなく、角質のさやで延長されていた。
歯は上顎と下顎の奥にだけあり、何百本もの歯が詰まったデンタルバッテリーを作って、すり減ると次々に生え替わった。2本足でも4本足でも歩けたとされる。皮膚の跡が広く残った「ミイラ化石」がいくつも見つかっており、体のほとんどの部分のうろこの様子が分かっている。くちばしの角質が残る標本からは、くちばしがこれまでの復元より鉤形で大きかった可能性も示されている。
発見と命名
属名エドモントサウルスは1917年、ローレンス・ラムがカナダ・アルバータ州レッドディア川沿いのホースシューキャニオン層(旧エドモントン層下部)の2体の部分骨格に付けたもので、「エドモントンのトカゲ」を意味する。模式種レガリスの種小名は「王の」を意味する。
もう一つの種アネクテンスは、それより早い1892年にオスニエル・チャールズ・マーシュがクラオサウルスの種として命名したもので、その後トラコドンやアナトサウルスなどの名で呼ばれてきた。1908年にはチャールズ・H・スタンバーグ親子がワイオミング州で皮膚の跡が残る「ミイラ」標本を発見している。現在、アナトサウルスやアナトティタンはこの属と同じものとされることが多い。
分類と研究
ハドロサウルス科の中で、中空のとさかをもたないサウロロフス亜科(ハドロサウルス亜科)に分類される。この亜科に入ることに異論はないが、亜科の中の正確な位置は定まっていない。中国のシャントゥンゴサウルスとも体のつくりがよく似ている。
化石はコロラド州からアラスカ州北部まで北アメリカ西部に広く分布し、海岸や海岸平野を好んだと考えられている。いくつもの骨の密集層から群れで暮らしていたとされ、季節的に移動した可能性もある。地面から高さ約4mまでの植物を食べていたと推定され、ティラノサウルスに襲われた跡のある標本も知られている。トリケラトプスなどとともに白亜紀末の大量絶滅の直前まで生きていた。
見られる博物館
- 福井県立恐竜博物館日本 福井県勝山市 ・ 実物化石の全身骨格
- 豊橋市自然史博物館日本 愛知県豊橋市 ・ 実物の全身骨格
- 神奈川県立生命の星・地球博物館日本 神奈川県小田原市 ・ 大部分が実物化石の骨格
- 長崎市恐竜博物館日本 長崎県長崎市 ・ 全身骨格
- アメリカ自然史博物館アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク ・ 全身骨格
- カナダ自然博物館カナダ オンタリオ州オタワ ・ 1913年から展示の骨格
- ロサンゼルス郡立自然史博物館アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス ・ 骨格展示
- デンバー自然科学博物館アメリカ コロラド州デンバー ・ Prehistoric Journeyの骨格
- イェール大学ピーボディ自然史博物館アメリカ コネチカット州ニューヘイブン ・ 骨格展示
- オックスフォード大学自然史博物館イギリス オックスフォード ・ 骨格の複製
- ゼンケンベルク自然博物館ドイツ フランクフルト・アム・マイン ・ 実物の「ミイラ」標本
- ナチュラリス生物多様性センターオランダ ライデン ・ 複合組立骨格
展示された特別展
- 巡回展「SUE:T. rexエクスペリエンス」2026年6月27日〜2026年11月29日 ・ テラス・スパーク科学センター ・ T. rexの狩りの場面の獲物役
- DinoScience 恐竜科学博 2023@TOKYO MIDTOWN2023年7月21日〜2023年9月12日 ・ 東京ミッドタウン・ホール ・ 触れる大腿骨化石
- Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~ 2021@YOKOHAMA2021年7月17日〜2021年9月12日 ・ パシフィコ横浜 展示ホールA ・ 3DCG
- ティラノサウルス展 ~T. rex 驚異の肉食恐竜~2021年7月17日〜2021年9月5日 ・ 大阪南港ATC ・ アイヴァンの獲物
- 特別展「パリにT. rexがやってきた」2018年6月6日〜2018年11月4日 ・ フランス国立自然史博物館 地質・鉱物ギャラリー ・ 初めて組み立てた全身骨格
- 企画展「最後のアメリカの恐竜たち ― 失われた世界の発見」2014年11月〜 ・ スミソニアン国立自然史博物館 ・ ヘルクリーク層のハドロサウルス類
この恐竜が登場する本
- 恐竜最後の日 小惑星衝突は地球をどのように変えたのかライリー・ブラック(著)、田中康平(監訳)、十倉実佳子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜科学博 DinoScience ララミディア大陸の恐竜物語恐竜くん(企画・監修) ・ 図録アーカイブ
- 恐竜2009 砂漠の奇跡!! 恐竜ミイラ化石と世界最大級の恐竜日本経済新聞社、テレビ東京、日経ナショナルジオグラフィック社(編) ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- ウォーキング with ダイナソー映画 ・ 2013
同じ鳥脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(カナダ・アメリカ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。