ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ダスプレトサウルス
Daspletosaurus ・ 1970年命名
頭骨は1mを超えることがあり、がっしりした体つきのティラノサウルス類。体に対する前肢の比率は同科の中で最も長い。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約7900万〜7440万年前)
- 全長
- 約8.5〜9m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- カナダ、アメリカ
オールドマン層(アルバータ州)・ツーメディスン層(モンタナ州)
特徴
ダスプレトサウルスは二足歩行の大型肉食恐竜で、成体は全長約8.5〜9m、体重約2〜3tと推定されている。ただし、最大の標本からはさらに大きく育った可能性も指摘されている。頭骨は重厚なつくりで長さ1mを超えることがあり、鼻骨などは癒合して強度を増している。歯は約70本で、断面は刃のように薄くなく楕円形である。
上顎骨の外側がざらざらしていること、目の周りの骨に目立つ隆起があることが、この属に特有の特徴とされる。目の穴は縦長の楕円で、ゴルゴサウルスの円形とティラノサウルスの鍵穴形の中間の形である。前肢は小さく指は2本だが、体に対する比率ではティラノサウルス科で最も長い。
発見と命名
模式標本は1921年、チャールズ・M・スタンバーグがカナダ・アルバータ州スティーブビル近くで見つけた部分骨格で、当初はゴルゴサウルスの新種と考えられた。1970年、デイル・ラッセルが詳しく記載して新属とした。属名はギリシャ語で「恐ろしいトカゲ」、模式種トロススの種小名はラテン語で「筋骨たくましい」を意味する。
その後、2017年にモンタナ州のツー・メディシン層の化石がホルネリとして、2022年にジュディスリバー層の化石がウィルソニとして命名された。シカゴのフィールド自然史博物館で長くアルバートサウルスとして展示されていた骨格も、1999年にダスプレトサウルスと再同定された。
分類と研究
ティラノサウルス科ティラノサウルス亜科に入り、ティラノサウルスに近い。3種が一つの系統の中で順に移り変わったとする説があるが、ウィルソニをトロススと同じ種とみる研究もあり、説が分かれる。ティラノサウルスより、タルボサウルスなどアジアの種に近いとする研究者もいる。タナトテリステスをこの属の種とする意見もあるが、広くは支持されていない。
ツー・メディシン層では、成体・若い個体・幼体の3体がハドロサウルス類とともに埋まった骨の密集層が見つかり、群れで暮らしていた証拠とする意見がある。一方で、コモドオオトカゲのように死骸に集まって争っただけとする見方もある。セントロサウルスやヒパクロサウルスなどの大型恐竜を襲う頂点の捕食者だったと考えられている。
見られる博物館
- フィールド自然史博物館アメリカ イリノイ州シカゴ ・ Evolving Planet
- カナダ自然博物館カナダ オンタリオ州オタワ ・ 入口の骨格
- ロッキー博物館アメリカ モンタナ州ボーズマン ・ D. horneriの約9m骨格
展示された特別展
- 特別展「T. rex:究極の捕食者」2019年3月11日〜2021年3月14日 ・ アメリカ自然史博物館 ・ ROM巡回時に下顎化石を展示
- 特別展「ティラノサウルス類 ― 一族に会おう」2013年11月23日〜2014年7月27日 ・ オーストラリア博物館 ・ 北米の大型種
この恐竜が登場する本
- 恐竜しんはっけん 恐竜トリケラトプスとマイプ ダスプレトサウルスとともにたたかうまき黒川みつひろ(作・絵) ・ 絵本・児童書
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。