ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ベイピアオサウルス
Beipiaosaurus ・ 1999年命名
羽毛の痕跡が残る原始的なテリジノサウルス類である。長さ10〜15cmに達する幅広い単繊維状の特殊な羽毛をもっていた。
- 分類
- 獣脚類 ・ テリジノサウルス上科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.25億年前)
- 全長
- 約1.8〜2.2m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- 中国
義県層(遼寧省)
特徴
ベイピアオサウルスはテリジノサウルス類としては小型で、最大の標本で全長約2.2mと推定されている。体重の推定は約27kgから約50kgまで幅がある。他のテリジノサウルス類に比べて頭が大きく首が短く、下顎の歯骨は大腿骨の約65%の長さがある。前肢には長く曲がったかぎ爪をもつ指があり、中指の爪が最も大きい。
進んだテリジノサウルス科は4本の指で地面を踏むが、ベイピアオサウルスの足は内側の指が小さく、3本指のままである。尾の先の5つの椎骨は癒合して尾端骨になっている。歯は葉の形をしており、植物を食べていたと考えられる。
羽毛
体は綿毛のような細い繊維状の羽毛に覆われ、その中から、枝分かれしない1本の繊維でできた長く幅広い羽毛が伸びていた。この羽毛は長さ10〜15cmと首の長さの約半分に達し、幅は最大3mmある。曲がった跡がないことから、かなり硬かったと考えられ、見せびらかしに使われた可能性が指摘されている。
首の羽毛に残るメラノソーム(色素をつくる小器官)の形を調べた2014年の研究では、羽毛は茶色っぽい色だったと推定されている。ユウティラヌスが見つかるまでは、羽毛の直接の証拠がある恐竜として最も重いものの一つであった。
発見と命名
1996年、農民のリ・インシェンが遼寧省の四合屯村の近くで部分的な骨格を見つけた。化石は義県層の、約1億2500万年前の地層から出ている。1999年5月、シュー・シン、タン・ジールー、ワン・シャオリンが科学誌ネイチャーで発表し、命名した。属名は発見地に近い北票市にちなみ「北票のトカゲ」を意味し、種小名インエクスペクトゥスはラテン語で「思いがけない」を意味する。
分類と研究
テリジノサウルス類は植物食に適した歯や体つきから、かつては竜脚形類や鳥盤類との関係も議論された。羽毛の跡と多くの獣脚類の特徴をもつベイピアオサウルスの記載により、獣脚類のコエルロサウルス類に入ることがはっきりした。原始的なテリジノサウルス上科とされ、ファルカリウスよりは進んだ位置に置かれることが多い。同じ地層のジャンチャンゴサウルスを本属の若い個体とする意見もあるが、2026年のカイラサウルスの記載では別の属として扱われており、説が分かれる。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「恐竜:太古の化石と新発見」2005年5月14日〜2006年1月8日 ・ アメリカ自然史博物館 ・ 原羽毛をもつ獣脚類
この恐竜が登場する本
- 大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち読売新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
関係するニュース
- 熱河生物群で最大のテリジノサウルス類 Kayrasaurus を記載2026-09-21 ・ 新種・発見
同じ白亜紀前期の恐竜
同じ国(中国)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。