DINO PRESS世界の恐竜ニュース

ENCYCLOPEDIA ・ 鎧竜類

ズール

Zuul ・ 2017年命名

米国モンタナ州のジュディスリバー層から見つかったアンキロサウルス科の鎧竜である。尾の先のこぶは上下に平たく、高さは長さの5分の1に満たない。

分類
鎧竜類 ・ アンキロサウルス科
時代
白亜紀後期(約7620万〜7520万年前)
全長
約6m
食性
植物食
発見地
アメリカ
ジュディスリバー層(モンタナ州)

特徴

ズールはアンキロサウルス科のアンキロサウルス亜科に入る植物食の鎧竜類で、全長は約6mと推定されている。頭骨は長さ約50cmと大きく、北アメリカ西部の鎧竜類ではアンキロサウルスの3つの頭骨に次ぐ。鼻先は幅広く前が切り落とされたような形で、鼻の穴は前を向いている。

尾の長さは278cmで、そのうち柄とこぶからなる尾の棍棒は210cmあり、北アメリカのアンキロサウルス科で最長である。柄の椎骨は互いにかみ合い、骨化した腱で固められて曲がりにくくなっていた。先のこぶは長さ52.5cm、幅36.8cmで、高さは8cmと上下に平たく、高さが長さの5分の1に満たないことがズールだけの特徴とされる。頭の後ろの角の側面に深い縦の溝があることなども固有の特徴である。

発見と命名

2014年5月16日、モンタナ州ハーバー近くで別の恐竜を発掘していた会社が、重機で厚い土砂を取り除いていたところ、偶然鎧竜の尾の棍棒に突き当たった。腹を上にしたほぼ完全な骨格で、地表で浸食されていなかったため保存状態は非常によかった。当初はエウオプロケファルスの新種とされ、2016年6月にカナダのロイヤル・オンタリオ博物館が入手した。

2017年、ビクトリア・アーバーとデビッド・エヴァンスが、頭骨と尾をもとにズール・クルリヴァスタトル(Zuul crurivastator)と命名した。属名は1984年の映画に登場する同名の怪物の頭が鎧竜に似ていることにちなむ。種小名はラテン語の「すね」と「破壊者」を合わせた「すねを砕くもの」の意味で、尾の棍棒で獣脚類の脚を打って身を守ったと考えられることによる。

分類と研究

標本はジュディスリバー層の中部から出たもので、頭骨と尾の棍棒の両方が完全に残ったアンキロサウルス族の初めての例であり、北アメリカで最も完全なアンキロサウルス科の標本である。骨のよろいが元の位置に並んでいるほか、棘をおおっていた角質のさやや、角質のうろこそのものが黒い膜として残っており、「恐竜のミイラ」とも呼ばれた。

系統解析では、アンキロサウルス、アノドントサウルス、ディオプロサウルス、スコロサウルスとともにアンキロサウルス族に入るとされ、多くの系統樹でディオプロサウルスに最も近い位置に置かれた。

見られる博物館

展示された特別展

この恐竜が登場する本

同じ鎧竜類の恐竜

ガストニアミンミエウロペルタボレアロペルタクンバラサウルスタラルルスニッポノペルタエオピナコサウルス

同じ白亜紀後期の恐竜

ベイベイロン カルノタウルス デンバーサウルス タルボサウルス ネメグトマイア トリエラルクンクス マプサウルス アナビセティア

同じ国(アメリカ)で見つかった恐竜

デンバーサウルス トリエラルクンクス ドリプトサウルス プティコテラテス ガストニア ステゴサウルス アラモサウルス アロサウルス

出典

  1. en.wikipedia.org/wiki/Zuul

数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。