ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ミクロラプトル
Microraptor ・ 2000年命名
前肢だけでなく後肢にも長い風切羽をもつ「4枚の翼」の小型恐竜である。胃の内容物から魚・哺乳類・トカゲ・鳥を食べていたことがわかっている。
- 分類
- 獣脚類 ・ ドロマエオサウルス科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.25億〜1.2億年前)
- 全長
- 約0.8m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 中国
九仏堂層(遼寧省)
特徴
ミクロラプトルは鳥類以外の恐竜のなかで最も小さいものの一つで、ミクロラプトル・グイの基準標本は全長約77cm、翼を広げた幅約88〜94cmとされる。大きな標本では全長80cm以上になる。体は厚い羽毛におおわれ、尾の先にはひし形の羽毛の扇があった。
前肢だけでなく後肢にも、現生の鳥の風切羽と同じように左右非対称の長い羽毛があり、4枚の翼をもっていた。2012年の研究では、羽毛の色素の形から、ムクドリのような黒くて玉虫色に光る羽をもっていたと推定されている。
発見と命名
最初の標本は、中国で複数の化石を組み合わせてつくられ、アメリカに密輸された「合成化石」の一部だった。中国の古脊椎動物古人類研究所のシュー・シンがその偽造を明らかにし、2000年に元の標本をミクロラプトル・ザオイアヌス(Microraptor zhaoianus)として記載した。
属名はギリシア語の「小さい」とラテン語の「つかむ者」を組み合わせたものである。化石は遼寧省の九仏堂層から数多く見つかっており、300点を超える標本があるとも言われ、ドロマエオサウルス科のなかで最も多い。のちにミクロラプトル・グイなども命名されたが、すべて一つの種の変異とする研究もある。
分類と研究
ドロマエオサウルス科の小型の恐竜で、始祖鳥と同じく、鳥類とそれ以前の恐竜の関係を知るうえで重要な証拠となっている。2003年、シュー・シンは「4枚の翼をもつ恐竜」として、四肢すべてを使って滑空した可能性を示した。その後の研究では、羽ばたいて飛ぶこともできたとする見方も出ている。
暮らしと生態
胃の内容物が残る標本が4点知られており、哺乳類の足の骨や、頭から丸のみにされたトカゲなどが見つかっている。ミクロラプトルは消化できない骨や羽毛をペリットとして吐き出さず、ふんとして出していたと考えられている。
見られる博物館
- 国立科学博物館日本 東京都台東区 ・ レプリカ
- 国家自然博物館(旧北京自然博物館)中国 北京市東城区 ・ 遼寧省産の羽毛恐竜
- 中国古動物館(IVPP)中国 北京市西城区 ・ ホロタイプ
この恐竜が登場する本
- ビジュアル 恐竜大図鑑 [年代別]古生物の全生態ダレン・ナッシュ(著) ・ 翻訳書
- 恐竜研究の未来 化石から見えること、見えないことデイヴィッド・ホーン(著)/野口正雄(訳) ・ 翻訳書
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。