ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
デイノケイルス
Deinocheirus ・ 1970年命名
長さ約2.4mの前肢は二足歩行の恐竜の中で最長級である。植物のほか魚などの小動物も食べる雑食性だったと考えられている。
- 分類
- 獣脚類 ・ デイノケイルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約7200万〜6800万年前)
- 全長
- 約11m
- 食性
- 雑食
- 発見地
- モンゴル
ネメグト層(ゴビ砂漠)
特徴
オルニトミモサウルス類で最大の恐竜で、全長は約11m、体重は約6.5トンと推定されている。がっしりした体だが、多くの骨が中空で軽くなっていた。
腕は長さ約2.4mと二足歩行の恐竜のなかで最大級で、3本指の手には大きく先の丸いかぎ爪がある。脚は比較的短い。背中の椎骨には高い棘突起が並んで「帆」のような形をつくり、尾の先には羽毛の扇があったことを示す骨がある。
頭骨は長さ約1mで、幅の広いくちばしと上下に深い下あごをもち、ハドロサウルス類に似ている。
発見と命名
最初の化石は1965年7月9日、ポーランドの古生物学者ゾフィア・キエラン=ヤヴォロフスカがモンゴル・ゴビ砂漠のネメグト層で見つけた。両腕と肩の骨、肋骨などからなる標本で、1970年にハルシュカ・オスモルスカとエヴァ・ロニェヴィッチがデイノケイルス・ミリフィクス(Deinocheirus mirificus)と名付けた。属名はギリシャ語で「恐ろしい手」、種名はラテン語で「並外れた」を意味する。
その後50年近く腕以外の化石が見つからず、謎の恐竜とされてきた。2006年と2009年に新たに2体の骨格が見つかり、盗掘されて国外に流出していた頭骨や手足も2014年にモンゴルへ返還された。これらを合わせてほぼ全身が分かり、2014年にイ・ユンナム、小林快次らが記載した。
分類と研究
当初は大型肉食恐竜のカルノサウルス類とされたが、早くからオルニトミモサウルス類との共通点が指摘されていた。全身が分かった結果、原始的なオルニトミモサウルス類で、ガルディミムスやベイシャンロンとともにデイノケイルス科をつくることが示された。この仲間はほかのオルニトミモサウルス類と違い、速く走ることには適していなかった。
頭の形から植物を食べたと考えられる一方、標本とともに魚のうろこや胃石も見つかっており、雑食だったと考えられている。大きなかぎ爪は地面を掘ったり植物を集めたりするのに使われた可能性がある。骨にはタルボサウルスのものとされるかみ跡も残っている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「獣脚類2025 ~『フクイ』から探る恐竜の進化~」2025年7月11日〜2025年11月3日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ オルニトミモサウルス類(福岡会場)
- 特別展「恐竜博2019」2019年7月13日〜2019年10月14日 ・ 国立科学博物館 ・ 全身骨格を世界初公開
この恐竜が登場する本
- 恐竜学者は止まらない! 読み解け、卵化石ミステリー田中康平 ・ 読み物
- 古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 中生代編土屋健(著)、群馬県立自然史博物館(監修) ・ 図鑑
- 恐竜博2019 The dinosaur expo 2019真鍋真(監修) ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- プレヒストリック・プラネットドキュメンタリー ・ 2022
- NHKスペシャル 恐竜超世界ドキュメンタリー ・ 2019
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。