ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
グアンロン
Guanlong ・ 2006年命名
「冠竜」を意味し、頭に薄く大きなとさかをもつ初期のティラノサウルス類である。ティラノサウルスより約9200万年前に生き、前肢には長い指が3本あった。
- 分類
- 獣脚類 ・ プロケラトサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.61億〜1.58億年前)
- 全長
- 約3〜3.5m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 中国
石樹溝層(新疆ウイグル自治区)
特徴
グアンロンは、ジュラ紀後期オックスフォード期に現在の中国で暮らした初期のティラノサウルス類である。全長約3〜3.5m、体重は約125kgと推定される比較的小さな獣脚類で、有名なティラノサウルスより約9200万年前に生きていた。頭の上には薄く繊細な大きなとさかがあった。
後のティラノサウルス類と違い、前あしには長い指が3本あった。とさかを除けば近縁のディロングに似ており、ディロングと同じく原始的な羽毛に覆われていた可能性がある。とさかは中に空気の通る空間が多く、ディロフォサウルスやモノロフォサウルスのとさかに似ているが、より繊細で体に対して大きく、複雑な形をしている。
発見と命名
中国・新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地の石樹溝層で、中国科学院古脊椎動物古人類学研究所とジョージ・ワシントン大学の合同調査隊が発見し、2006年に徐星(シュー・シン)らが命名した。属名は中国語の「冠」と「龍」からなり、とさかにちなむ。種小名のウーツァイイ(wucaii)は「五彩」の意味で、化石が見つかった色とりどりの岩が広がる五彩湾に由来する。
知られている標本は2体で、成体と幼体が上下に重なって、ほかの3体の獣脚類とともに見つかった。成体(模式標本)は部分的に関節のつながった骨格、幼体はほぼ完全に関節のつながった骨格である。これらは大型竜脚類マメンチサウルスの足跡にできたぬかるみに落ち込んで抜け出せなくなった動物たちとされている。
分類と研究
2013年の研究ではプロケラトサウルスやキレスクスとともにプロケラトサウルス科をつくるとされ、2014年の研究でもこの科に含められている。2024年には、ディロングとプロケラトサウルス科をティラノサウルス上科の外に置く解析も発表されており、位置付けには議論がある。
骨の組織の分析から、成体は7歳で成熟して12歳で死に、幼体は6歳でまだ成長途中だったと分かった。幼体ではとさかが吻の前の部分に限られて小さく、成長とともに大きく広がったと考えられる。とさかは繊細なつくりであることから、繁殖期などの誇示に使われた可能性が高いとされる。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「ティラノサウルス類 ― 一族に会おう」2013年11月23日〜2014年7月27日 ・ オーストラリア博物館 ・ 最古級のティラノサウルス類
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。