ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
アウストラロヴェナトル
Australovenator ・ 2009年命名
オーストラリアで見つかった最も完全な肉食恐竜で、手には大きな鎌状のかぎ爪があった。軽快な体つきから「当時のチーター」とも呼ばれる。
- 分類
- 獣脚類 ・ メガラプトル科
- 時代
- 白亜紀後期(約9500万年前)
- 全長
- 約6m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- オーストラリア
ウィントン層(クイーンズランド州)
特徴
アウストラロヴェナトルは、オーストラリアで見つかった肉食恐竜のなかで最も完全に近い骨格が知られている獣脚類である。全長約6mで、体重は約310〜500kgと推定に幅がある。南アメリカのメガラプトル類の多くよりは小さいが、オーストラリアの肉食恐竜としては大型の部類に入る。
前あしは太く、上腕骨はS字状に曲がり、先端には大きく鋭いかぎ爪があった。一方、後ろあしは比較的ほっそりしており、軽い体つきの捕食者だったことから、記載者のスコット・ホックナルは「当時のチーター」と呼んだ。頭骨は見つかっていないが、ほかのメガラプトル類と同じく細長い頭だったと考えられる。下あご(歯骨)は華奢で、片側に19本の歯が並ぶ。
発見と命名
2006年、オーストラリアの恐竜時代博物館とクイーンズランド博物館の調査隊が、クイーンズランド州ウィントンの北西約60kmにあるエルダーズリー牧場の「マチルダ・サイト」で部分骨格を発見した。地層はウィントン層で、白亜紀後期セノマニアン期、約9500万年前のものである。骨は竜脚類ディアマンティナサウルスの骨と混ざり合って見つかった。
2009年、ホックナルらが新属新種アウストラロヴェナトル・ウィントネンシス(Australovenator wintonensis)として記載した。属名はラテン語で「南の狩人」を意味し、種小名は化石が見つかった町ウィントンにちなむ。骨は硬い塊に包まれていたため、その後も腕や手(2012年)、後ろあし(2013年)、右の歯骨(2015年)と、少しずつ取り出されて記載が続いている。
分類と研究
多くの系統解析では、長い腕をもつ肉食恐竜のグループ、メガラプトル科の基盤的なメンバーとされる。ただしメガラプトル類そのものの位置は定まっておらず、アロサウルス上科に近いとする説とティラノサウルス類に近いとする説などがあり、説が分かれる。
ビクトリア州の地層から見つかった距骨や爪、歯などのメガラプトル類の化石が、この属に近いもの(cf. アウストラロヴェナトル)とされている。ウィントン層の別の地点からは、より大きく形の異なるメガラプトル類の化石も見つかっており、成長段階や個体差によるものか、別の種がいたのかは分かっていない。
見られる博物館
- オーストラリアン・エイジ・オブ・ダイナソーズ博物館オーストラリア クイーンズランド州ウィントン近郊 ・ ホロタイプ「バンジョー」
- クイーンズランド博物館オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン ・ 実物大の複製
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。