ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
シノサウロプテリクス
Sinosauropteryx ・ 1996年命名
鳥類以外の恐竜で初めて羽毛の証拠が見つかった。尾椎は64個あり、体に対する尾の長さは獣脚類の中で最も長い。
- 分類
- 獣脚類 ・ コンプソグナトゥス科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.25億〜1.22億年前)
- 全長
- 約1m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 中国
義県層(遼寧省)
特徴
シノサウロプテリクスは全長約1m、体重約0.55kgと推定される小型の獣脚類で、腕が短く、尾が非常に長い。尾の椎骨は64個あり、体に対する尾の長さは獣脚類で最も長いとされる。体はごく単純な繊維状の羽毛で覆われていた。
羽毛にはメラノソーム(色素をつくる小器官)が残っており、背中側が暗く腹側が明るい「カウンターシェーディング」の配色で、尾には縞模様があったと考えられている。これまで赤褐色とされてきた体色は、のちに別の属フアダノサウルスとされた標本にもとづくものである。
発見と命名
最初の標本は1996年8月、農民で化石採集も行っていたリ・ユーミンが中国・遼寧省の義県層で発見した。化石は2枚の岩板に分かれ、北京の中国地質博物館と南京地質古生物研究所に売られた。北京の館長ジー・チアンや、カナダの古生物学者フィリップ・カリーがその重要性に気付いた。同年のアメリカの古脊椎動物学会でカリーが写真を見せると大きな話題になった。
1996年に記載され、属名は「中国の爬虫類の翼」、模式種プリマの種小名は羽毛をもつ鳥類以外の恐竜として最初に見つかったことを表す。2025年には遼寧省凌源の化石から第2の種リンユアネンシスが命名された。
分類と研究
鳥類(鳥群)以外で初めて羽毛の証拠が見つかった恐竜である。この繊維をコラーゲン繊維とみる反論も出されたが、色素の存在や2017年の詳しい比較研究から否定され、広くは受け入れられていない。長くコンプソグナトゥスに近いコンプソグナトゥス科とされてきたが、この科がまとまったなかまかどうか疑問が出され、独自の科シノサウロプテリクス科に置く研究もある。
ある標本の腹の中からはトカゲの骨が見つかり、小さく素早い動物を食べていたことが分かる。同じ標本には長さ約36mmの卵が2つ残っており、雌で、他の獣脚類と同じく卵を2つずつ産んだ可能性が指摘されている。
見られる博物館
- 岩手県立博物館日本 岩手県盛岡市 ・ 全身骨格
この恐竜が登場する本
- 恐竜研究の最前線 謎はいかにして解き明かされたのかマイケル・J・ベントン(著)、久保田克博・千葉謙太郎・田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜学入門 第4版 かたち・生態・絶滅D.E.Fastovsky、D.B.Weishampel(著)、真鍋真(監訳)、藤原慎一・松本涼子(訳) ・ 専門書
同じ獣脚類の恐竜
同じ白亜紀前期の恐竜
同じ国(中国)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。