ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
クリオロフォサウルス
Cryolophosaurus ・ 1994年命名
南極大陸のカークパトリック山で発見された肉食恐竜。頭の上に横向きに広がるとさかがあり、「エルビサウルス」の愛称を持つ。
- 分類
- 獣脚類
- 時代
- ジュラ紀前期(約1.95億〜1.82億年前)
- 全長
- 約6〜7m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 南極大陸
ハンソン層(カークパトリック山)
特徴
ジュラ紀前期の獣脚類としては最大級で、タイプ標本は全長約6〜7m、体重350〜465kgほどと推定されている。この個体はまだ成長しきっていなかったとみられ、成体はさらに大きかった可能性がある。
最大の特徴は、目の上で頭骨に対して垂直に立ち上がり、扇のように左右に広がるとさかである。薄くて溝が多く、髪型のポンパドールに似ていることから「エルビサウルス」の愛称がある。モノロフォサウルスなど、とさかのある獣脚類の多くはとさかが頭の前後方向に走るのに対し、この恐竜では頭を横切っている点が珍しい。頭骨の長さは約65cmと推定されている。
発見と命名
化石は1990〜91年の南半球の夏、南極横断山脈のビアドモア氷河地域にあるカークパトリック山で見つかった。標高約4000mの地層で、オハイオ州立大学の地質学者デイビッド・エリオットのチームが最初に骨を見つけ、オーガスタナ大学のウィリアム・ハマーのチームが発掘した。
1994年、ハマーとヒッカーソンが科学誌『サイエンス』で記載した。属名はギリシャ語の「冷たい」「とさか」「トカゲ」を組み合わせた「寒いとさかのトカゲ」の意味で、種名エリオッティ(ellioti)は最初に化石を見つけたエリオットにちなむ。南極で見つかった最初の肉食恐竜で、南極の鳥でない恐竜として初めて正式に命名された。
分類と研究
大腿骨には原始的な獣脚類の特徴がある一方、頭骨はシンラプトルなど後の時代のテタヌラ類に似ており、分類は大きく揺れてきた。アロサウルス科、テタヌラ類、ディロフォサウルスに近い仲間などとされてきたが、現在はアヴェロストラ類に近い、進んだ新獣脚類とする見方がある。ただし研究によって位置は異なり、説が分かれる。
とさかの役割については、近い仲間の比較や骨の表面の研究から、主に同じ種の仲間を見分けるためのものだったと考えられている。
見られる博物館
- フィールド自然史博物館アメリカ イリノイ州シカゴ ・ Evolving Planet
展示された特別展
- 日本初上陸 大恐竜展 ―知られざる南半球の支配者―2009年3月14日〜2009年6月21日 ・ 国立科学博物館 ・ 南極産の獣脚類
この恐竜が登場する本
- 大恐竜展 Dinosaurs of Gondwana 知られざる南半球の支配者冨田幸光(編)、国立科学博物館・読売新聞社 ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
同じジュラ紀前期の恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。