ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
チレサウルス
Chilesaurus ・ 2015年命名
獣脚類でありながらへら状の歯をもつ植物食恐竜で、鳥盤類とする説もあるほど特徴が入り混じっている。2004年に7歳の少年ディエゴ・スアレスが発見した。
- 分類
- 獣脚類 ・ 分類不確定(獣脚類または鳥盤類)
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.48億〜1.47億年前)
- 全長
- 約1.6〜3.2m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- チリ
トキ層(アイセン州)
特徴
チレサウルスは、獣脚類・鳥盤類・竜脚形類の特徴が入り混じった植物食恐竜である。最も目立つのは、口の先で前方へ突き出すように生えたへら状の細長い歯で、獣脚類としては例がなく、植物食動物の歯の特徴である。腰の恥骨は後ろ向きで、植物を消化する大きな消化管を収めるための適応と解釈されている。
前肢の指は実質2本で、第3指はごく小さい。脛骨の前の突起が小さく、足は幅広く第1趾にも体重がかかるつくりで、長く走るのには向かなかったとされる。かわりに第1指の大きなかぎ爪をもつ頑丈な腕で身を守った可能性がある。模式標本は若い個体で全長約1.6m、成体とみられる最大の標本からは全長約3.2mと推定されている。
発見と命名
2004年2月4日、当時7歳のディエゴ・スアレスが、地質学者の両親マヌエル・スアレスとリタ・デ・ラ・クルスと一緒にチリのアイセン州で飾り石を探していたとき、椎骨と肋骨を見つけた。その後の標本は2008年にいくつかの別の恐竜とされたが、のちに同じ種の別個体と分かった。
2015年、フェルナンド・ノバスらが模式種チレサウルス・ディエゴスアレジを命名した。属名は国名チリに、種小名は発見者ディエゴ・スアレスにちなむ。模式標本はトキ層から出た、足と尾の大半を欠くほぼ完全な関節した骨格で、ほかに幼体から成体までの4体分の部分骨格が知られている。
分類と研究
最初の記載では、獣脚類のテタヌラ類の根元に近い位置に置かれた。2017年にはマシュー・バロンとポール・バレットが最も原始的な鳥盤類とする説を出し、獣脚類と鳥盤類を近い仲間とする「オルニトスケリダ説」と結びつけた。翌年には同じデータが原始的な竜脚形類を示すとする反論も出るなど、論争となった。
その後もバロン自身は獣脚類か鳥盤類か決めきれないとしているが、2018年の詳しい骨の記載や2024年の大規模な解析など、獣脚類とする研究が多い。獣脚類だとすれば、コエルロサウルス類以外で植物食に移った数少ない例の一つになる。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 恐竜博20162016年3月8日〜2016年6月12日 ・ 国立科学博物館 ・ 産状のままの全身骨格
この恐竜が登場する本
- 恐竜博2016 The dinosaur expo 2016真鍋真(監修)、朝日新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
同じジュラ紀後期の恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。